変身ブローチが輝くなか、手を天に掲げて「ムーンプリズムパワー・メイクアップ」と叫ぶ月野うさぎ。すると、次々と指先が光り輝くとともに、姿がシルエットと化する。掲げた手を振り下ろすとともに、顔がアップとなり、そのアングルが引いていくと、胸にブローチを装着し全裸のシルエットととなったうさぎの上半身が現れる。両手をブローチを包み込むようにかざすと、ブローチは強く輝き、強力なエナジーにも見える光を放出する。 実に22年ぶりに甦ったセーラームーンの最初の変身のスタートは、若干の懐かしい部分もありながら、基本的には効果は派手に、動きは地味にという感じになった。初代アニメ無印の変身シーンでは、変身ブローチの存在が比較的空気に近かった。変身ブローチが前面に出るようになったのはR以降なので、若干時間軸を混ぜて懐かしい感じという気もする。 ただ、手を掲げてからの動きはほぼ新パターン。アイススケートのような体の回転が序盤に取り入れることが多かった動きがなくなり、腕の動きに合わせて即うさぎが正対し、ブローチが変身のプロセスに入ろうとするようになった。序盤は懐かしく思わせといて、でもはじまると違うというギャップを味わえる。 それにしても、絵柄が大きく変わっている点もあるが、淡い背景で展開されることもあってか、初代アニメ以上に「月野うさぎは中2」という設定を忘れてしまいそうな雰囲気である。時代の進みもあるのか、ひとつひとつの効果もなんか派手になった感じもあるし、短い効果音がキラキラみたいな感じではなく、若干力強さを感じるものになったのも、初代アニメとは違うという感じを出しているように思える。
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